放牧風景、奥に見える山が奥中山高原です(2005年撮影)
ホルスタイン
奥中山地区酪農のあゆみ

戦前までの奥中山の産業といえば、軍馬補充部を除き農業以外に特筆されるものはありませんでした。

 昭和23年、開拓新農村の建設に燃える地元青少年の訓練基地としての奥中山開拓推進基地農場から、数戸の開拓農家がホルスタイン種の子牛を借り受け飼養したのが奥中山酪農の始まりです。

 昭和30年代後半から本格的な酪農経営の基盤づくりのため乳牛導入、牛舎建築、農業機械の導入などが増えてきました。しかし、当初は飼育管理も不慣れで乳牛が死亡したり病気になったり、1頭当たりの搾乳量も少なくしかも乳価の低迷や諸資材高騰、借入金の負担など経営状態は最悪で数々の困難が待ち受けておりました。
それらの苦難も地域の連帯と和によって支え合い乗り越えてきました。

 昭和63年、牛乳への消費者ニーズも多様化する中で、カナダより134頭のジャージー種を導入、また、同じ年に地域で生産される高品質な農業畜産物に付加価値を与える目的で奥中山農協の加工施設が稼働、良質な牛乳を使用しカマンベールチーズやアイスクリームを製造を開始しました。

その後、奥中山地域全体の活性化を目指し酪農生産基盤の確立を図ることを目的として牛乳乳製品プラント建設することとなり、平成11年4月に酪農家100戸が出資し会社設立(当社)、同11月より稼働し全酪連北福岡工場の牛乳生産と奥中山農協のアイスクリーム生産を引き継ぎ現在に至っています。
位置

奥中山地域は岩手県内陸北部の一戸町最南部に位置し地形は奥羽・北上山脈の接点に当たる標高327〜793mの高標高地であり北上川と馬渕川の分水嶺となっている。
 また、陸上距離が一番長い(743.7km)国道4号線の最高地点(標高459m)が奥中山にあります。


気象

 地域の年平均気温は7.7℃、1月では−5.4℃で総じて夏期冷涼な高原型の気候である。年間降水量は 1,191mm、降霜は県内でもっとも早い10月上旬に始まり、晩霜は5月下旬である。また、初雪は11月上旬に見られ根雪期間は11月下旬から4月上旬までのおよそ130日間、積雪1m、氷点下20℃を記録することもある極めて厳しい自然条件下にある。
天文台